中里郷土の森では、ホタルの観察会を通して皆さんに生きものたちの存在や生活に興味を持ってもらうため、ヘイケボタルを飼育しています。
1回の観察会では伝えきれないこともありますし、観察会に参加できない方もたくさんいらっしゃると思います。
そこで、多くの方にホタルの知識や魅力を伝えられるようこのページを作りました!
ぜひ楽しんでいってください!

目次

卵から大人までの育ち方

↓見たい項目をクリック↓

↓見たい項目をタップ↓

卵はコケや水草に産み付けられます。
メスは、常にじめっとして乾燥しない場所を選び、
雨などに流されないようしっかりと卵を産み付けます。
生まれたての幼虫はとても小さく、2mmもありません。
すぐに水に入れる場所に卵が産み付けられていないと生き延びられません。
ホタルの幼虫は肉食で、カワニナやタニシなどの貝を食べます。
口から消化液を出し、肉を溶かして飲みこむ「体外消化」を行っています。
脱皮を繰り返し、だんだん大きくなります。
水中ですごすため、たくさんのエラを持っています。 足がたくさんあるように見えますが、
前の6本以外は全てエラです。
 
幼虫が十分な大きさになると、水辺から陸地に上陸します。
土を掘って自分でまゆを作り、その中でさなぎになります。
土まゆの中で羽化して成虫になると、土まゆから脱出します。
雨が降った後はホタルがよく見られますが、
これは地面が柔らかくなり、土まゆから脱出しやすいから、
と言われています。

ヘイケボタルの光とからだ

↓見たい項目をタップ↓

↓見たい項目をクリック↓

ヘイケボタルの光は冷光(ルミネセンス)という発熱しない光で、
最近のスマホの液晶に使われる有機ELとほとんど同じ仕組みです。
具体的には、「ルシフェリン」という化学物質と ルシフェラーゼというたんぱく質に、 呼吸によって酸素が届けられることで光を点滅させています。
ヘイケボタルが光る理由の1つは、オスとメスが出会うため。
オスはチカチカ早く光りながら飛び回り、
メスはじんわりゆっくり光ってオスを待ちます。
オスとメスが近づき、光るタイミングが一致すると、 カップル成立です。
このシーンを観察できるととっても嬉しいですよ!
ヘイケボタルの成虫のオスとメスは、
姿かたちにいくつか違いがあります。
からだの大きさ、目の大きさ、発光器の数が主な違いです。
ヘイケボタルのオスは、 成虫になると飛び回ってメスのホタルを探します。
メスも全く飛ばないわけではありませんが、
飛びながらぴかぴかと光っているヘイケボタルはほとんどがオスです。
ヘイケボタルのメスは、
卵を持っているのでオスよりもからだが重く、あまり飛びません。
葉っぱやコケの上でじんわりと光りながら オスと出会うのを待ちます。
卵を産んで子孫を残すために、 オスよりも少しだけ長く生きると言われています。

日本のホタルいろいろ

↓見たい項目をタップ↓

↓見たい項目をクリック↓

ゲンジボタルは体長15~18mm、
ヘイケボタルは体長7~10mm。
ヘイケボタルの方がひとまわり小さく、光も少し弱めです。
また、ゲンジボタルは川やせせらぎで、
ヘイケボタルは田んぼや湿地で見られることが多いです。
ゲンジボタルは好き嫌いがはげしく、
貝の中でも主にカワニナを好みます。
そのため、ゲンジボタルはヘイケボタル以上に飼育するのが大変です。
また、ゲンジボタルは6月中旬には羽化を終えることが多いですが、
ヘイケボタルは5月末~7月中旬までだらだら羽化しています。
中里郷土の森で6~7月の長い間
ホタルの観察会を行えるのも、そのためです。
 
 
日本には50種類ほどのホタルが生息していますが、 その内、大人(成虫)になっても発光するのは本州で4種類。
さらに、幼虫時代を水の中で過ごす、 水生ホタルは日本全体で見てもたったの4種類。
また、世界全体で見ても水生ホタルは10種類ほどしかいないそうです。
私たちにとってはメジャーな存在の ゲンジボタル・ヘイケボタルは、
はとっても変わったホタルなんですね!

どうして数が減ってるの?

↓見たい項目をタップ↓

↓見たい項目をクリック↓

ヘイケボタルは東京都区部ではCR(絶滅危惧ⅠA類)に指定されており、
中里郷土の森のある練馬区内からは絶滅してしまっています。
ここまで読んでくださった皆さんは、 ヘイケボタルが減っている理由が、 なんとなく想像できるのではないでしょうか。
 
ヘイケボタルは、生きるために必要な条件が比較的多い昆虫です。
・卵が産み付けられる常時湿った水辺
・幼虫が大きくなれるだけのエサ(巻貝など)が豊かな水場
・幼虫が越冬できる、冬の間も乾燥しない水場
・幼虫が土まゆを作ることのできる、柔らかい土の岸
・成虫の光が邪魔されない暗さ
これらが揃っている環境は、都会ではなかなか見つからないと思います。
そのため、都会でホタルを見ることが難しくなってしまっているのです。
 
中里郷土の森ではホタルを通して皆さんに少しでも生きものに興味を持ってもらいたいと思い、観察会を行っています。
園内で皆さんにヘイケボタルを見ていただいていますが、これは「練馬で復活したヘイケボタル」ではありません。
もしも別の場所にすむ個体群を放流しても、それで地域のホタルが復活するわけではないのです。
他の場所から生きものを連れてくるのではなく、多くの生きものが暮らせる環境を守ったり、作ったりしていくことが地域の生きものの多様さを守ることに繋がります。
私たちが身の回りの自然に興味を持ち、自分の近くにはどんな環境があるのかな?どんな生きものが暮らしているのかな?と考えることが、豊かな自然を守り、育むことに繋がると思っています。
生きものが知りたい!ふれあいたい!探したい!と思ったら、ぜひぜひ中里郷土の森に遊びに来てくださいね!